テント撥水加工と10年後の撥水効果

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キャンプに行けば必ず遭遇するのが雨降り。いわゆる雨キャンプです。繰り返しテントを使用しているとテントの撥水効果が弱くなり乾燥しにくくなったり、雨漏りしはじめることはご存じですか?長年使っていると気になるのがテントの撥水効果。繰り返し使用していると撥水効果が徐々に弱くなってきます。そこで今回は撥水加工について詳しく調べた結果とテント撥水加工の詳しい方法、それから10年経過した同テントの撥水効果について検証しました。その結果、POLON-Tには撥水効果だけではなくテント生地劣化防止という副次効果があることを発見しました。大切なテントのメンテナンスのために、ぜひご一読ください。

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撥水効果は10年後にどう変化するのか乞うご期待!

目次

そもそもテントに撥水加工は必要なのか?

キャンプをしていると雨にあたることも多いです。そこで大抵のテントは耐水性表示がされています。「耐水圧3000mm~」など製品情報に記載されていますね。これは1cm四方のテント生地の上に〇〇mmまでの水を積み上げても染み出しませんという基準です。今回のテーマである「撥水」はこれとは異なります。生地の表面に水滴がついた場合、それが留まらずに流れ落ちていく効果を示します。傘についた水滴がイメージしやすいかと思います。

購入したばかりのテント生地は表面は「撥水加工」、内部は「耐水加工」されており、2重の効果を発揮することにより防水効果を高めています。そして、撥水加工はテントの保管方法や使用回数が増えていくと劣化しその効果は無くなります。つまり防水効果が低くなることで雨漏りしたり漏水することが多くなるので、テントの定期的な撥水加工は必要です。

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業者さんに依頼する方法もあるけど、今回は自分で出来る撥水加工の方法を案内しま~す!

テントに使える撥水剤の選び方

テントに限らず、レインウェアや登山靴などアウトドアで広く使用されている撥水(防水)剤は「フッ素系撥水剤」と「シリコン系撥水剤」の2種類に分類されます。それぞれの違いは下記の通りです。

フッ素系撥水剤
シリコン系撥水剤
  • 水や油に馴染まない性質
  • 生地に浸透せず表面に付着
  • 汚れなどで効果落ちやすい
  • 使える生地が多い
  • 水に馴染まないが油に馴染む性質
  • 生地に浸透しやすい
  • 汚れに強く効果長持ち
  • 革製品は非推奨

フッ素系撥水剤は使用する生地を選ばないので多用されることが多いです。それに対し、シリコン系撥水剤は革製品等に使用するとシミの原因になるためお勧めできません。今回はテントが対象なのでコットンもしくはナイロンの生地が多いと思います。そこで、持続性が高いシリコン系撥水剤を選ぶのが一般的です。それぞれの特性については大手キャンプメーカーのキャプテンスタッグさんでも紹介されていますのでご確認ください。

また、撥水剤を使用する上での禁止事項は下記の通りです。

  • 換気できない場所での使用
  • 周囲にたくさんの人がいる中での使用
  • 子どもに使用させる

フッ素系、シリコン系ともに人体に有害な成分となるため、気管から吸い込むと大変危険です。くれぐれも製品表示のとおり使用上の注意をよく読んでから使用するようにしましょう。

それでは撥水加工をしてみよう

さっそく撥水加工をしてみましょう。まず私が選んだテントは登山用テントで有名なHERITAGEさんの「エスパースⅡミニ」ソロ用テントとして中古で購入したテントです。

インナーとアウターに分かれたダブルウォールタイプです。軽量かつ設営しやすいのでソロキャンで重宝していました。

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リップストップナイロン製の生地で雨風に強く、とても軽量なので今も人気の山岳テントです!

撥水剤は「POLON-T」

私が撥水剤として選んだのは信越シリコーンの「POLON-T」です。

分類としてはコンクリート・モルタル建材用となっていますが繊維用にも使用可能です。また溶液タイプなので刷毛や吹付用スプレーが別途必要になります。私が選択した理由はシリコン系撥水剤の中で安価であること、撥水剤としての使用実績も定評があったことです。

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私の購入先は工業用品専門店でした。取り扱いが難しい化学薬品だから専門店のほうが安心ですよね。

POLON-Tを塗布するために必要な道具

テントにPOLON-Tを塗布するために必要な道具は溶液を入れる容器と刷毛です。

どちらも100円ショップで入手できますが、揮発性が高く特殊な溶液なので密閉でき、化学変化による性質変化の影響を受けにくいガラス容器を選択しました。またこの他に安全面のことを考えて、作業用軍手(ゴム手袋)と保護メガネ、マスクを用意することをお勧めします。

撥水剤を塗る前の下準備

撥水加工するテントは、目立つ汚れやゴミをはらいましょう。低温アイロンをかけてシワを伸ばすのもおススメです。ただしナイロン生地は高温に弱いのでアイロンの温度調節は慎重に行ってください。

テントがよほど大きいものでなければ公園や無料野営地など迷惑にならない場所で設営しましょう。ペグダウンやガイロープを張ると塗る作業もスムーズになります。また撥水剤の禁止事項でも触れましたが密閉空間では使用できませんので、必然的に外で行うことになります。

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エスパースは中古購入でシワだらけだったから、アイロンがけで塗りやすくなりました!

テントにPOLON-Tを塗ってみよう

POLON-Tの溶液をガラス容器に移して刷毛で塗る作業を繰り返します。液体は半透明で塗料系独特の匂いがします。なるべく薄めに回数を繰り返して塗っていきましょう。また縦に塗ると液だれが気になるので横塗りをお勧めします。

写真は太陽に当たっていますが、なるべく日陰で作業した方が溶液の揮発が遅くなります。ソロ用テントで作業時間はだいたい1時間くらいでした。塗る前と塗った後の比較写真を撮ってみました。

「エス」と「パース」文字の真ん中を境にしたつもりですが、境界線か分からないくらい揮発性が高い液体です。塗った場所が分からなくなるのでブロックごとに塗ることを意識して進めた方が良いと思います。また塗る量の目安は分かりません。重ね塗りの是非も判断つきませんでしたが、私は念のため2回塗りをしました。1~2人用テントのフライシート2回塗りで容器の半分がなくなりました。ファミリー用テントなら1缶あれば足りるかどうか微妙なところです。

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大型テントだと何缶必要になるか想像できないので、どうしても撥水加工したい人は業者さんに頼った方がイイかも。

以上でPOLON-Tを塗る作業は完了です。あとは乾燥させてテント収納となりますが、せっかくなので実験をしてみました。

水をかけて撥水効果を確認しよう

用意したのは鍋一杯分の水です。これをテントにかけてみてどれくらい表面撥水が出来てるか確認してみます。

ちなみに、これは私の確認作業なので撥水加工の作業には関係ありません。それでは水をかけてみます。

テント生地に水滴が留まることなくキレイな球状になって落ちていきました。これは撥水加工が成功したと言えるでしょう。また当分は防水性能は維持できるので長く使うことができます。

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お気に入りのテントは長く使っていきたいよね!

POLON-Tで撥水加工してから10年経過でわかったこと

それでは最後にPOLON-Tで撥水加工した後、10年経過したテントの撥水性能はどう変化するのか?

2012年に撥水加工したエスパースのテントはこの後、雪中キャンプなどいろいろな場所でキャンプしましたが、ここ2~3年は押し入れの中で眠っていました。さて、2022年現在、撥水効果はどうなっているのか?気になって押し入れから引っ張り出してみました。

天気はちょうど雨予報。さっそく庭に設営してみました。数年ぶりに引っ張り出したエスパース。長期保管によるシワが少し目立ちますが問題なく設営できました。ペグダウンをしっかりして、やや雪交じりの雨の中、ひと晩放置してみます。

翌朝、写真のとおりです。ある程度の撥水効果はありますが玉のように転がるとは言えません。やはり長期保管によって撥水効果は薄くなっていると実感しました。これについては予想通りでしたが、それとは別に発見したことがありました。それはテントを中古で購入してから10年以上経過しているのにテントが痛んでいないということです。購入当初で5~6年使用済みと聞いていたので総合すると15~6年は経過しているテントと推察されます。ところが加水分解など生地へのダメージはありませんでした。ちなみに私が所有している他のナイロン生地のテントは同じくらい時間経過していますが、加水分解や生地劣化が広がっています。つまり、POLON-Tの撥水加工により湿気などによる長期保管の弊害から、テント生地の劣化を防ぐ効果があると思われます。撥水加工の目的からテント生地劣化防止対策になるという発見はとても良い経験が出来ました。そのうちまた撥水加工をして、このテントを末長く使っていきたいなと思います。

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最後まで読んでいただきありがとうございました!皆さんもぜひお気に入りのテントを長く使っていきましょう!楽しいソトイクライフをお過ごしください。

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